院長ごあいさつ

 私たちの病院は、1953年に開設された小さな診療所から始まり、地域の友の会の方々と職員が力を合わせて1976年に80床の病院として建設されました。その後多くの変革を経験しながら、現在は261床(急性期病棟 140床(HCU 4床)、障害者病棟(41床)、地域包括ケア病棟(44床)、回復期リハビリテーション病棟 (36床)、医師数41人、職員総数564人(2025年7月現在)の地域医療の中核病院となりました。また特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、内科診療所、歯科診療所等が当法人のグループ内にあり、これらと密接な連携をしながら外来医療や入院医療、検診、在宅医療、介護を実践しています。
 今、地域医療の崩壊が叫ばれる中、特に地方の医師不足や財政難に伴って、いくつかの病院が縮小・廃院に追い込まれています。新潟医療圏は、今のところ救急医療は二次輪番制がぎりぎり踏みとどまれる程度に何とか機能しておりますが、医療機能の集約化―「選択と集中」が進んでいます。また少子高齢化社会は成熟した社会かもしれませんが、他方では低成長時代でもあり、政治がうまくいかず今後の医療や介護の姿も見えてきません。当院でも今年は必要な医師・看護師不足の影響を受け、また人口動態的にも入院患者数、外来患者数の減少に伴い、厳しい経営状況になってきています。このような情勢の中、二次輪番制救急を支えながら急性期病院として生き残りをはかり、 地域連携や臨床研修病院としての役割を果たしつつ、この難局を生き延びて行かねばなりません。地域のために存在するという設立時の精神に立ち返り、真の意味での下越病院として存在し続けなければなりません。
 私たちは、地域のすべての人に等しく、可能な限りの医療を提供しております。一人ひとりの患者さんに対して、あらゆる職種のスタッフが参加して、患者さんご自身、ご家族にも加わっていただきながら、患者さんの視点に立った医療の実施をめざしております。さらに私たちは、当院と周辺の医療機関との「顔の見える」緊密な医療連携を育て、当地が人々にとってより安心して暮らせる地域・街になるための下支えになりたいと願っております。
 当院にとって「より質の高い、地域に根差した医療を提供すること」は社会的使命でありますが、それに加えて「優秀な医療人材の育成」も重要な使命であると考えています。
当院は厚生労働省臨床研修指定病院であり、また多くの学会の認定(関連)施設として研修医、専門医の育成にあたっています。2020年には卒後臨床研修評価機構更新調査において「高齢化のすすむ我が国の近未来的な環境を先取り」し「地域に根差した医療を実践」しているとの公的な評価をいただきました。医師のみならず、すべての職員の成長を促す組織体制を構築するとともに、充実感をもって働くことができる職場環境の整備にも積極的に取り組んでおります。
 今後も、皆様から信頼される病院を目指し、職員一同努力していく所存です。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

下越病院 院長

末武 修史

最終更新日 2025年7月1日