循環器内科
当院循環器内科では、旧新津地域を中心に、五泉、加茂、阿賀町、阿賀野市など周辺地域の循環器疾患の急性期管理と慢性疾患管理まで一貫した診療を行っています。心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患、不整脈、心不全といった命に関わる病気に対し、24時間365日対応可能な体制で、地域の循環器救急を担っています。
また、地域の先生方との病診連携を重視しており、急性期治療を当院で実施後に状態が安定した患者さんは速やかにかかりつけ医へご紹介し、慢性期のフォローアップをお願いしております。心不全や不整脈など継続的な管理を要する症例に対しては、検査や治療を適切に分担し、地域全体で患者さんをサポートしております。地域の皆さまの心臓と血管の治療を守るため、日々診療に取り組んでいます。
急性心疾患への対応-24時間356日の緊急体制-
当院はSTEMI(ST上昇型心筋梗塞)輪番をはじめ、急性心筋梗塞や不安定狭心症など、緊急PCIが必要な症例に24時間対応しています。救急搬送・紹介患者を受け入れ、速やかに心臓カテーテル検査・治療を行うことで、心筋へのダメージを最小限に抑え、心機能の回復を目指します。
主な対象疾患と治療内容
虚血性心疾患(急性心筋梗塞、狭心症など)
心臓を栄養する冠動脈が動脈硬化により狭くなったり、完全に詰まったりすることで、心筋に十分な栄養と酸素が届かなくなる病気です。これにより、胸の圧迫感・痛み・息苦しさなどが生じ、重症化すると心筋が壊死し、命に関わることもあります。
【主な治療方法】
- 薬物療法:抗血小板薬、血管拡張薬、β遮断薬、スタチンなどで再発予防や血管保護を行います。
- カテーテル治療(PCI):狭くなった冠動脈にステントを留置したり、血栓を吸引したり、血流を回復させます。
- 生活習慣の改善:禁煙、食事・運動療法、生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症)の管理を通じて、再発を防ぎます。
*冠動脈バイパス術(CABG)が必要な重症例は、高次医療機関と連携して対応しております。
不整脈(心房細動、心室頻拍、洞不全症候群など)
心臓の拍動は、心臓内の電気信号(刺激伝導系)によって一定のリズムを保っています。この電気信号の異常により、脈が乱れたり、早くなったり、遅くなったりする状態を「不整脈」と呼びます。代表的なものに、心房が不規則に震えることで脈が乱れ、心不全や脳梗塞の原因となる“心房細動”。心室が異常に速く収縮し、血圧低下や失神、突然死を起こすこともある“心室頻拍”。心臓のリズムが極端に遅くなり、めまいや失神の原因となる“洞不全症候群”などがあり、他にも多彩な不整脈疾患が存在しています。
【主な治療方法】
- 薬物療法:抗不整脈薬、β遮断薬、抗凝固薬(特に心房細動では脳梗塞予防が重要)を用います。
- カテーテルアブレーション:異常な電気信号の発生源をカテーテルで焼灼し、根治を目指す治療です。
- ペースメーカー植え込み:脈が遅くなるタイプ(洞不全症候群、房室ブロックなど)に対しては、心拍を一定に保つ装置を体内に植え込みます。
*植込み型除細動器(ICD)やCRT-Dが必要な重症例については、高次医療機関と連携して対応しております。
心不全
心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなった状態を「心不全」といいます。原因は、心筋梗塞や高血圧、弁膜症、不整脈など多岐にわたり、進行すると息切れやむくみ、体重増加、倦怠感などが出現します。一度発症すると慢性化しやすく、入退院を繰り返すことが多い病気です。
【主な治療方法】
- 薬物療法:利尿薬。ACE阻害薬/ARB/ARNI、β遮断薬、SGLT2阻害薬などを組み合わせ、心臓の負担を軽減します。
- 生活管理:塩分・水分制限、体重測定、運動療法などを行い再増悪を防ぎます。
心臓リハビリテーション-回復と再発予防のために-
当院は心臓リハビリテーションにも力を入れております。心臓リハビリテーションとは、心疾患を経験された患者さんが再び日常生活を安全に送れるよう、運動・栄養・心理・服薬の各面から支援する包括的プログラムです。患者さん一人ひとりの病状に合わせた個別プログラムを作成し、退院後の生活の質(QOL)向上、職場復帰まで見据えたサポートを行っています。
診療実績
| 診療項目 | 2024年度 | 2023年度 |
|---|---|---|
| CAG | 119件 | 119件 |
| PCI | 202件 | 180件 |
| 緊急CAG・PCI | 70件 | 57件 |
| IABP | 12件 | 9件 |
| PCPS | 4件 | 0件 |
| EPS検査 | 16件 | 21件 |
| 下肢動脈EVT | 44件 | 47件 |
| 静脈フィルター留置 | 1件 | 0件 |
| 永久ペースメーカー植込 | 45件 | 69件 |
| 心筋アブレーション | 18件 | 20件 |
医師体制

院長 末武 修史
1994年新潟大学医学部卒業
日本内科学会 総合内科専門医
日本内科学会 認定内科医
日本心血管インターベンション治療学会 認定医・専門医
日本医師会認定産業医
DMAT研修修了
ACLS基礎コース修了
JOSTENT GraftMaster講習会
コメディカルによるコメディカルのためのTRA/TRI教育セッション講習修了

部長 岡田 義信
1980年新潟大学医学部卒業
日本内科学会 認定内科医
日本循環器学会 循環器専門医

科長 田中 真一
1997年新潟大学医学部卒業
日本内科学会 認定内科医

岡島 英雄
1980年新潟大学医学部卒業
プライマリケア連合学会 認定医・指導医
日本専門医機構 総合診療領域特任指導医
日本医師会認定産業医
人工透析従事研修全課程修了

伴 元心
2019年佐賀大学医学部卒業

