院内課の取り組み
リハビリテーション課
リハビリテーション課 基本理念
病院理念である「地域のみなさんとともに、ゆきとどいた医療・福祉の実現をめざします」を基に、秋葉区や秋葉区周辺地域の皆さんのリハビリテーション支援はもちろん、健康増進、疾病予防など地域支援にも力を入れています。親切で気持ちの良いサービス提供を行い、患者さん一人ひとりが1日でも早く回復して在宅生活に復帰できるよう支援します。

リハビリテーション課 育成方針

リハビリテーション課 医師体制

当院は常勤医師2名と非常勤2名の計4名のリハビリ科医師が在籍しています。リハビリに関わる患者さんの処方や指示、装具処方など相談や連携がとりやすい環境になっており、医師とコメディカルの距離が近いことが魅力の一つです。特に、痙縮治療や摂食嚥下リハビリテーションに力を入れています。
下越リハビリテーション課の特徴
1.急性期から生活期までの一貫したリハビリ
近年、急性期リハビリテーション領域では入院した直後から早期介入することが重視されています。当院のリハビリテーション実施率は2025年度70%を超えており、入院翌日にはリハビリがスタートしている方も増えています。「はじめまして。」当院のリハビリはさわやかなあいさつから始まり、入院後すぐにリハビリと言われて驚く方もおられますが、可能な限り早期から、病状や病態を把握したセラピストが安全に無理なくリハビリテーションを行います。
入院中のリハビリは、退院後の生活を想定して行っており、退院前には多職種が集まった合同カンファレンスが開かれます。また、退院前に家庭訪問を行うことで、手すりやスロープなどの住宅改修について提案し、介助方法を伝えることで介護する側もされる側も双方が無理なく生活できるようにご家族と一緒に話し合います。
当院のリハビリは退院したらそのまま修了…ではありません。退院後も必要があれば、外来リハビリ、訪問リハビリ、通所リハビリでの継続的なリハビリが行えます。退院後に困ったことについて、随時相談できるような体制をとっています。

2.チームアプローチで集中的なリハビリ 回復期リハビリテーション病棟
回復期リハビリテーション病棟は、急性期の治療後に在宅復帰を目指し、集中的にリハビリを行う病棟です。患者様一人ひとりの状態に合わせたリハビリを行い、「できるADL(日常生活動作)」から「しているADL」の獲得を目標に取り組んでいます。病棟での生活は、朝に私服へ着替えることから始まり、食堂にて食事をとることで一日の生活リズムを作っています。また、お茶の時間やレクリエーションの時間を設けることで、活動性が低下してしまいがちな入院生活を活気あるものに変えています。リハビリを行っている患者さまのなかには、低栄養やサルコペニア(加齢、活動、栄養、病気によって筋肉量と筋力、身体機能が減少すること)の方が多いです。そのため主治医を交えた多職種でのカンファレンスにて栄養状態を評価し、適切かつ効果的なリハビリを実施しています。

また、当院の回復期リハビリテーション病棟では、訪問リハビリスタッフ、通所リハビリスタッフとの連携も行っています。退院後の日常生活を見据えて、必要な患者さまに対して介護系サービスに繋げ、退院後も不安なく生活を送れるよう支援しています。
3.共に歩みます 難病リハビリテーション
ALS(筋萎縮性側索硬化症)、パーキンソン病、脊椎小脳変性症、多系統萎縮症など、進行性の難病の方に対し、外来リハビリ、訪問リハビリなどで、3職種(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)により専門的なリハビリを実施しています。
4.退院後も安心 訪問リハビリテーション
訪問リハビリでは、生活機能(運動機能、コミュニケーション機能、嚥下機能)が低下した方、何らかの理由で外出が困難な方に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が自宅へ疑い、サービスの提供を行っています。
- 実際の生活場面を用いての日常生活動作の練習、機能訓練
- 福祉機器や福祉用具の選定
- ご本人・ご家族・多職種への介助方法、代償手段の指導・練習
急性期から関わった患者さんを、退院後の在宅生活においても支援しています。利用者さまは、運動器疾患や脳血管疾患から難病まで様々です。ご本人、ご家族が安心して在宅生活を送れるよう、日々チームアプローチで取り組んでいます。
一人ひとりの状態や自宅環境に合わせてリハビリプログラムを組み立てます。
5.心疾患患者を多職種協働で支える心臓リハビリテーション
高齢化社会や生活の欧米化が原因で日本の心疾患患者は増加しています。当院では、心疾患患者(急性心筋梗塞、狭心症、慢性心不全、末梢動脈疾患など)に対して超急性期の入院から退院後の外来まで心臓リハビリテーションを提供しています。心臓リハビリとは、多職種(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、検査技師、医療ソーシャルワーカー等)が連携し、包括的に心疾患患者の治療や指導を行うことをいいます。当院には、心臓リハビリテーション指導士や心不全療養指導士、循環認定理学療法士など資格を有したセラピストが多数従事しており、心臓分野のスペシャリストとして心疾患患者の評価や運動処方、生活指導を実施します。
メディカルフィットネスとの連携
当院での外来管理が終了した後は、隣接するメディカルフィットネスウオームでの運動プログラムを継続することも可能です。
心肺運動負荷試験による心臓機能評価
当院は心肺運動負荷試験(CPX検査)が実施できます。患者様一人ひとりの運動耐容態や心臓機能の状態や改善、生活で注意する活動内容などを具体的に指導します。

6.早期に息切れ改善 外来呼吸器リハビリテーション
呼吸器疾患の患者さん(COPD:慢性閉塞性肺疾患など)は、息苦しくて動くこと自体が怖くなっている場合があります。日常の動作が楽に行えるように、正しい呼吸法を学ぶ、運動のすがすがしさを思い出してもらうために呼吸器リハビリが重要になります。入院しないとリハビリが行えない施設が多いなか、当院の大きな特徴は、少しでも早く息切れを軽減してもらえるように外来リハビリを提供する体制が整っていることです。病状や状態に合わせて、リハビリを個別に行う場合あれば数人で一緒に行う場合もあります。一人で行き苦しさを抱え込まずに私たちや同じ疾患の仲間たちと頑張りましょう。

7.最期までその人らしさを支えるがんのリハビリテーション
当院では、必要に応じてがん疾患の患者さまにもリハビリを提供しています。手術に向けた予防的な運動や生活指導から術後の回復を促す術後リハビリ、抗がん剤治療中の身体の機能を維持するためのリハビリ、終末期のその人らしさを支えるリハビリと幅広く関わっています。その人の苦痛を取り除きながらできることを支え、自宅に帰る支援や安楽に最期を過ごせるような支援を行っていきます。まずはお気軽にご相談ください。

ベッドサイドで苦痛を和らぐ関わりを提供します。緩和ケアチームにもリハビリスタッフが参加して自宅への退院だけでなく、外出や外泊ができるよう支援します。
8.自動車運転再開の評価とアドバイス
当院周辺は、自動車での移動が必要な地域であり、多くの方が病気の発症後も自動車運転を希望されます。自動車運転には身体機能だけでなく、一定の高次脳機能が必要です。それらの機能が障害される脳卒中の方々が、安全に自動車運転の再開ができるように、当院では医師、言語聴覚士、作業療法士がチームとなり、評価やアドバイスを行っています。
9.県内では数少ないボツリヌス治療 入院でも外来でも対応が可能
当院では、痙縮(脳卒中後に生じる体のこわばりやつっぱり)によるボツリヌス注射をリハビリ科医師が行っています。痙縮による歩行時のつっぱりや痛み、日常生活や介護の場面において、物が持ちにくい、着替えがしにくい、オムツ交換が大変など、さまざまな問題の解決が図れます。(個人や状態により効果に差があります)痙縮治療は、薬剤の効果を最大限に発揮するために、ボツリヌス注射を打った直後からしっかりとストレッチや関節可動域運動を行うことが重要です。そして、注射する前の状態の評価、注射を打った後の効果判定を、リハビリ科医師と理学療法士、作業療法士が行います。
施設基準
- 脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)
- 運動器リハビリテーション(Ⅰ)
- 呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)
- 回復期リハビリテーション(Ⅰ)
- 心大血管疾患リハビリテーション(Ⅰ)
- がん患者リハビリテーション科
- 摂食機能療法
セラピストの教育育成
リハビリ課では、セラピストのキャリア支援を重点にキャリアラダーやクリニカルラダーを導入しています。慣れない医療現場でも少しずつ業務に適応できるよう「新人教育プログラム」や「経験者入職プログラム」、「法人事業所介護研修」などを設定しています。急性期や回復期の医療現場に限らず、地域においても活躍できるセラピストを育成できるよう、訪問リハビリや通所リハビリ、介護老人保健施設での業務にも従事しています。幅広い経験を積みながら、将来の医療介護情勢に合わせて活躍できるセラピストを育成しています。

リハビリテーション課キャリアラダー
資格取得実績(2024年3月時点)
学会発表実績
- 日本リハビリテーション医学会
- 呼吸理学療法学会
- 日本呼吸ケアリハビリテーション学会
- 関東甲信越呼吸ケアリハビリテーション学会
- 日本心臓リハビリテーション学会
- 新潟在宅呼吸療法研究会
- 日本がんサポーティブケア学会
- 神経理学療法学会
- 日本糖尿病学会
- 日本作業療法学会
- 日本言語聴覚学会
- 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
- 日本高次脳機能障害学会
- 日本神経心理学会
- 日本コミュニケーション障害学会
- 全国訪問リハビリテーション学会
- 日本医療マネジメント学会
- 全国民医連慢性呼吸器疾患研究会
- 全国民医連循環器懇話会
- 全日本民医連循環器懇話会
- 全日本民医連神経・リハビリテーション研究会
各部門の紹介
理学療法部門
理学療法では、患者様やご家族のニーズや目標に応じたリハビリを心掛けています。現在の身体機能を評価し、体力強化を目的とした運動療法をはじめ、基本動作といわれる「寝返り・起き上がり・座位・起立・歩行」の改善を目指しています。
介入する内容は、筋力維持や強化、関節運動のほか、物理療法(温熱・電気・超音波)、徒手療法、マッサージなど個別的に評価を行い治療にあたります。基本的には病室から段階的に進め、リハビリ室での運動療法や動作練習を実施したのち、必要に応じて屋外など生活場面を想定したリハビリも行っています。定期的なカンファレンスを行い、在宅生活が問題なく行えるか評価する必要がある患者さんには退院前訪問を行います。退院前訪問は患者さんやご家族の同席のもと、看護師や作業療法士の病院関係者とケアマネージャーや福祉用具業者等の在宅関係者とともに自宅で動作できるか評価し、住宅改修や福祉用具のレンタルといった検討を自宅にて行います。介護保険下でのリハビリテーションを実施予定の際には、当法人内で訪問リハビリ、通所リハビリを運用していますので、密な連携が可能となっています。
当院では、安心して在宅生活が送れるように退院までしっかりサポートしています。
専門領域チームにおけるサポート体制
多数の認定理学療法士をはじめとする有資格者が在籍しています。専門領域チーム活動では、臨床における相談や指導、資格取得や学会発表に向けた支援も行っています。チーム会議にリハビリ科の医師が参加しているチームもあります。

作業療法部門
作業療法では、急性期から終末期まで様々な疾患を呈した入院・通院患者さまに対し、身体機能面だけでなく、病気になった方自身やそのご家族の精神・心理面への介入、日常生活における実際の動作練習や環境調整など、多方面からアプローチしていきます。機能回復を目指した訓練、残存機能を活かした方法の提案、代替手段の提示により、病気をされる前の生活への復帰、対象者の方が大切にされていた活動の継続に繋げ、その人らしい生活を再獲得できるようにフォローアップを行います。
心臓リハビリに作業療法士が関わっています
当院では心疾患に関わる資格を有した作業療法士が在籍しています。心疾患を抱えた方々に対して日常生活や家事動作、趣味などの再獲得を目標に心臓に負担をかけない動作方法の指導やリハビリを行います。心不全は認知症発症のリスクであり、認知症は心不全悪化による再入院と関係します。そのためにその人に適した自己管理方法の工夫・支援環境の見直しなどを行います。

退院後の生活を見据え、心疾患と上手く付き合いながら住み慣れた地域で楽しみや役割を持って「その人らしく」生活できるように多職種と連携しながら支援を行います。
OT部門ミーティングと部門内学習会
作業療法部門は、定期的にミーティングや学習会の時間を設けています。臨床上の課題や業務を円滑に行うための方法などについて共有し、課題解決に向けて話し合っています。スタッフから課題や意見を挙げてもらえる環境と雰囲気づくりを大切にしています。また、学習会を通して作業療法士としてのスキルアップを図っています。

言語聴覚療法部門
病気やケガなどでコミュニケーションが不自由になった方々に対し、ことばの表出や理解、文字の読み書きなども含めたすべての言語機能や、高次脳機能障害に対するリハビリを行います。また、食べ物の飲み込みがうまくできない患者さまに対し、摂食・嚥下機能の評価・訓練を行います。
ST専用の個室が充実しています。
国際ライセンス
パーキンソン病の発語のための専門的リハビリ(リーシルバーマン音声治療:LSVT)はパーキンソン病の言語治療として最も効果があると国際的に認められた言語治療です。この治療方法は認定資格を持った言語聴覚士のみしか実施できません。当院はこの資格を持った言語聴覚士が在籍する県内では数少ない施設の1つです。
おいしく食べるために。 嚥下障害(飲み込み)リハビリ
- 日本言語聴覚士認定、認定言語聴覚士(摂食・嚥下障害領域)が在籍しています。
- 飲み込みの悪い嚥下障害の患者さまに対しては客観的な評価(VF・VEを含む)を行い、嚥下訓練を行っています。(2024年度実績:148件)
- バリエーション豊かな嚥下食の提供ができます。
嚥下リハビリの基本は食べることです。できるだけ早く、安全に口から食べられることを目指し、栄養課と協力しながら、患者さまにあった食形態の調整を行っています。
生活期リハビリにSTが関わっています。
当院のSTは在宅でも活躍しています。地域では貴重なSTによる訪問リハビリや通所リハビリを提供しており、病院と連携しながら生活期をサポートします。

臨床工学課
2025年現在、臨床工学技士9名の集団で業務展開しています。主な業務は医療機械の保守管理操作となります。具体的には、生命維持監視装置といわれる人工透析装置や人工呼吸器、IABP、PCPSなどの補助循環装置を扱い、治療機器と呼ばれる救急救命治療に使用するDC、AEDや各輸液注射ポンプ、心電図モニターも管理しつつ、治療現場では透析室、心臓カテーテル検査室、HCUなどで活躍しています。医療機器は正常に動作すれば良いという管理では、医療安全は確立できなく、患者さんの病態に合わせた条件設定や、安全に使用するために医療スタッフ、患者への機器操作教育も必要であり、医師、看護師をサポートする役割として存在しています。近年は病院内外でペースメーカーや睡眠時無呼吸症候群等の在宅での治療機器の動作状況を、電波を介して一部把握できる遠隔モニタリングシステムを採用しています。
栄養課
栄養課は直営方式で給食提供を行っています。構成メンバーは、管理栄養士4名、調理師13名、栄養士パート2名、洗浄室パート6名です。
給食管理
患者さんにとって食事は入院生活での楽しみなっていると思い、美味しく安全な食事作りを心がけています。
毎日3色おいしい食事
料理の美味しさを決定する要因を描出し、調理工程や方法をマニュアル化することでおいしい給食の再現性を高めています。残食調査や栄養管理委員会で提案された患者さんの声を給食に常に反映させ、美味しく治療の励みになるような給食提供を心がけています。

入院中も楽しめる食事
行事食、丼メニュー、選択献立、手作りデザートの提供を毎月実施しています。提供時には調理師、栄養士で喫食している患者さんのもとへ伺い直接感想を伺います。「まさか病院でこんなメニューが提供されるとは!」、「普段は残してしまうことがあるけど、今日は完食できてうれしかった!」などの嬉しい感想を多くお寄せいただき、栄養課一同励みにしています。

咀嚼や嚥下機能に応じた安全な食事
日本摂食嚥下リハビリテーション学会から出されている嚥下調整食分類2021に基づく嚥下調整食の提供を行っています。リハビリ課やリハビリ科医師と協働しながら常に安全な嚥下調整食を提供し、病態と咀嚼嚥下機能に沿った食事提供を継続しています。

栄養管理
病棟担当制のきめ細やかな栄養管理
6つの病棟に対し管理栄養士の担当を設け、入院栄養管理計画書の作成、再評価、退院栄養管理計画書の作成を行っています。担当の管理栄養士へ多職種のスタッフが常時相談、連携が図れ、タイムリーな対応が図れるようにしています。また、入院栄養食事指導料(栄養相談・栄養指導の算定も担当の管理栄養士が行うため、きめ細やかな関わりを持つことができます。
院内外医療活動・院外活動へ参加できる管理栄養士
- 日本栄養治療学会:NST専門療法士1名
- 日本病態栄養学会:病態栄養専門管理栄養士1名
- 日本栄養治療学会:教育認定施設での臨床実地修練修了者3名
- 新潟DMAT隊員1名
上記の認定資格、活動資格を有する管理栄養士が所属しており、多方面で医療活動に取り組んでいます。

検査課
検査課ビジョン
- 365日24時間、正確・迅速な結果報告を行う。
- 個々のレベルアップのため、研修計画を立て、目標を明確にする。
- 各々が自分で考えて仕事ができる環境にする。
取り組み
- スタッフの負担軽減のため、当直の入り休み、明け休みを確保。
- 1人2部署をスローガンに、スペシャリストからゼネラリストの育成。
部門紹介
血液検査
血液中の赤血球・白血球・血小板の数やヘモグロビン濃度を調べます。貧血、感染症、白血病などの血液疾患の病態把握に役立ちます。また、凝固検査では血液が固まる働きが正常に機能しているか調べます。出血しやすいか、血栓ができやすいかを判断できます。坑凝固薬の治療効果判定などに用いられます。
- 血球数算定
- 白血球分画
- 凝固検査 など

生化学・免疫検査
生化学検査は、血液や尿、体腔液に含まれている蛋白やブドウ糖をはじめ様々な酵素、脂質類やミネラルなどの生命活動を維持する為には欠かせない物質を測定します。また、免疫検査では、抗体の有無や量を調べることで病気の診断に使用されています。他に、微量な物質(ホルモン・腫瘍マーカー)を測定する検査も免疫検査に含まれます。
- 肝機能:AST,ALT,T-Bil
- 腎機能:BUN,Cre,
- 心機能:CK-MB,BNP,LDH,AST,HFABP
- 腫瘍マーカー:CEA,CA19-9,PSA
- 栄養状態:ALB,Che
- 内分泌状態:FSH,TSH,FT3,FT4
- 血中薬物:ジゴキシン、テオフィリン など

輸血検査
輸血療法は、血液成分の欠乏あるいは機能低下により生じた病態に対して、献血によって得られた治療用血液を補充(輸血)して改善を図る補充療法です。輸血検査では、患者様に安全な血液製剤を迅速に供給できるよう、各種血液製剤の管理や輸血前検査を行っています。
- ABO血液型
- 不規則抗体スクリーニング、同定
- クロスマッチ
- 直接クームス試験 など

一般検査
尿、便、体腔液等の成分を詳しく調べます。腎臓疾患や感染症、糖尿病、寄生虫感染、腫瘍の有無など、幅広く診療情報が得られます。
- 尿定性・尿沈渣
- 便鮮血検査
- 体腔液検査
- 便虫卵検査 など

細菌検査
体から採取された検体(血液、膿、喀痰、尿、便)を培地という寒天に塗り、細菌を増殖させます。そこから、どの薬剤が効果的か、薬剤感受性試験を実施し、患者様の治療に役立てます。また、新型コロナウイルス抗原(定量)検査もしています。
- 新型コロナウイルス抗原(定量)検査
- 細菌培養同定検査
- 薬剤感受性試験
- インフルエンザ、ノロウイルス等の迅速検査 など

生理検査
生理機能検査とは、心電図、脳波、超音波検査など、医療機器を使って患者さんの体の仕組みや働きを直接調べる検査です。血液や尿などの「検体検査」と異なり、体から直接得られる生体情報を記録して、体の状態や臓器の機能を診断する目的で行われます。
- 心電図
- 超音波検査(心臓、腹部、下肢血管、頸動脈、甲状腺)
- 呼吸機能検査
- 神経伝導速度検査
- 脳波検査
- 睡眠時無呼吸検査 など

病理検査
内視鏡や手術で採取された臓器に癌細胞がないか、その種類、進行具合等を調べます。
細胞診の診断も行っています。細胞検査士2名のダブルチェックを徹底しています。
日本臨床細胞学会施設認定を取得しており、細胞診専門医の指導の下、日々の精度管理を行っています。また、全国学会に積極的に参加しています。病理解剖も行います。解剖は、死因究明のため、病理医と臨床検査技師の2名体制で行います。

認定資格取得数(2023年12月現在)
| 認定病理検査技師 | 1名 |
|---|---|
| 細胞検査士 |
3名 |
| 国際細胞検査士 | 1名 |
| 二級臨床検査士(病理) |
3名 |
| 認定臨床微生物検査技師 | 1名 |
| 感染制御認定臨床微生物検査技師 | 1名 |
| 二級臨床検査士(微生物) | 1名 |
| 特定化学物質作業主任者 | 3名 |
| 有機溶剤作業主任者 | 1名 |
| 化学物質管理責任者 | 1名 |
| 新潟県糖尿病療養指導士 | 2名 |
薬剤課
薬剤課では、安全で有効な薬物療法を提供できるよう、日々努力しています。
薬剤課職員(2025年11月現在)
- 薬剤師10名
- 薬剤補助員3名
認定・研修(2025年11月現在)
- 病院薬学認定薬剤師(日本病院薬剤師会)5名
- 認定実務実習指導薬剤師(薬学教育協議会)4名
- 感染制御専門薬剤師(日本病院薬剤師会)2名
- 医療薬学専門薬剤師(日本医療薬学会)2名
- 日本薬学指導薬剤師(日本医療薬学会)1名
- 薬物療法指導薬剤師(日本医療薬学会)1名
- 研修認定薬剤師(日本薬剤師研修センター)1名
- 日本糖尿病療養指導士(日本糖尿病療養指導士認定機構)1名
- 腎臓病療養指導士(日本腎臓病協会)1名
- スポーツファーマシスト(日本アンチ・ドーピング機構)1名
- 日本DMAT(厚生労働省)1名
- 医療薬学専門薬剤師 研修施設
- 地域薬学ケア専門薬剤師 研修施設(基幹施設)
業務内容
調剤室
処方箋の内容(用法・用量、飲み合わせ、腎機能、肝機能など)を確認し、調剤を行っています。調剤方法はPTP調剤、一包調剤、粉砕調剤など患者さんの状態によって決定しています。処方箋の内容に疑わしい点がある場合は、必ず医師に問い合わせています(疑義照会)。電子カルテと調剤機器(自動錠剤分包機、散財監査システムなど)を連携し、調剤時のエラーを防ぐためのシステムを構築しています。
注射室
主に入院患者さんの注射薬セットを行っています。処方箋の内容は調剤室同様確認していますが、注射経路や配合変化の確認も行い、個人毎にセットを行っています。他には、翌日に予定されている予防接種のセットや抗悪性腫瘍剤セット、特殊注射薬の予約確認など注射関連業務を行っています。


製剤室
院内製剤を行っています。医療のニーズに対応するため、院内製剤は医療法の下で医療機関の責任下で院内において調剤・使用されています。その使用目的に応じ①調剤の準備を目的とするもの ②患者さんの治療・診断を目的とするもの ③医療に用いるが患者さんの治療・診断目的ではないもの に分類されます。使用に当たっては倫理審査委員会で審議され決済されてからとなります。

病棟業務
患者さん一人ひとりに、丁寧でわかりやすい薬の説明をするよう心がけています。患者さんとの面談や電子カルテの情報、医師や看護師などスタッフからの情報により、薬の効果が得られているか、副作用が発生していないかを確認しています。急性期病棟においては、薬剤師が常駐し、処方監査、処方提案、医師・看護師やその他のスタッフからの問い合わせにも対応しています。
チーム医療
ICT(感染制御チーム)、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)、NST(栄養サポートチーム)、褥瘡対策チーム、緩和ケアチーム、身体拘束最小化チーム、災害対策委員会(DMAT 含む)、糖尿病グループ等、多くのチームに薬剤師が配置されています。
実務実習
当院では薬学生の臨床実務実習(2.5カ月)を受け入れています。
保険薬局の皆様へ
疑義照会について
- 当院薬剤課までご連絡ください(0250-22-4711〈代表〉)
- 薬剤師に代わりましたら、「患者様のID番号」をお知らせください。
- 処方医師に確認が必要な場合は、折り返しお電話致します。連絡先の電話番号をお知らせください。

外来処方箋への臨床検査値記載について
当院では外来処方箋に臨床検査値の記載を行っています。
| 検査項目 | 単位 | 性別 | 院内基準値 |
|---|---|---|---|
| 白血球数 | ×102 個/μL | – | 30~82 |
| ヘモグロビン | g/dL | 男性 | 14~18 |
| 女性 | 12~16 | ||
| 血小板数 | ×104 個/μL | – | 14~40 |
| 尿素窒素 | mg/dL | – | 8~20 |
| クレアチニン | mg/dL | 男性 | 0.65~1.07 |
| 女性 | 0.46~0.79 | ||
| カリウム | mEq/L | – | 3.5~5 |
| AST | U/L | – | 10~28 |
| ALT | U/L | – | 4~30 |
| PT-INR | – | – | 0.85~1.15 |
| HbA1c | % | – | 4.6~6.2 |
| 好中球数 | ×102 個/μL | – | 15~ |
| CK | U/L | – | 29~203 |
当院採用の化学療法レジメン
1. 大腸がん
- mFOLFOX6 療法(+ 分子標的薬(ベバシズマブ, セツキシマブ, パニツムマブ)併用)
- FOLFIRI-2 療法(+ 分子標的薬(ベバシズマブ, パニツムマブ, ラムシルマブ)併用)
- sLV5FU2 療法(+ 分子標的薬(ベバシズマブ, パニツムマブ)併用)
- CAPOX療法
- SOX 療法
- スチバーガ、ロンサーフ(+分子標的薬 ベバシズマブ併用)、フリュザクラ
2. 胃がん
- SP 療法(+ トラスツズマブ併用療法)
- XP 療法(+ トラスツズマブ併用療法)
- SOX 療法(+ トラスツズマブ併用療法)
- パクリタキセル(NabPTX), ラムシルマブ併用療法
- ラムシルマブ単独療法
- Weekly NabPTX, triweekly NabPTX 療法
- CAPOX療法(+トラスツズマブ併用療法)
- イリノテカン単独療法
- ニボルマブ単独療法
- mFOLFOX6 療法+(ニボルマブ、ズルベツキシマブ)併用
3. 胆管がん
- GC 療法
- GS 療法
- GCS 療法
4. 膵がん
- GEM 単独療法
- GS 療法
- GEM, NabPTX 併用療法
- mFOLFIRINOX 療法
- nal-IRI+5FU療法
吸入療法の連携
当院では、吸入指導において保険薬局との連携に取り組んでいます。
当院で作成いたしました吸入手技チェックリストを指導時にご利用ください。
(下記リンクより自由にダウンロード可能です)
評価、コメントを記載いただき、上半分は患者様のお薬手帳へ貼付、下半分は当院薬剤課まで FAX をお送りください。処方医へフィードバックいたします。
放射線課
〇診療放射線技師12名
主な業務
- 一般撮影(レントゲン、マンモグラフィ、骨塩定量検査)
- X線透視検査
- CT検査
- MRI検査
- 超音波検査
- 血管撮影検査IVR
一般撮影
検査の特徴
- この検査ではレントゲンやマンモグラフィ、骨密度測定を行います。
- 検査にかかる時間は短く、撮影した部位を画像ですぐに確認することができるため、一般的に広く行われている検査です。
- 体の中を一方向から撮影して画像化しているため、臓器の重なりなどで詳しい診断ができない場合もあります。
留意事項
- 撮影部位によっては、体の向きを変えることや、一時的に息を止めていただくことがあります。
- 金属類、プラスチック類、湿布、カイロなど、撮影する画像に映り込む可能性のあるものは検査前に外していただきます。
- 胎児は放射線の影響を受けやすいため、妊娠している方、妊娠している可能性のある方は必ず医師にお伝えください。
- X線撮影装置(3台)
- 乳房用X線撮影装置(1台)
- X線骨密度測定装置(1台)
- 移動式X線撮影装置(2台)


X線透視検査
検査の特徴
- 当院ではERCP、嚥下造影、シャント造影、上部消化管造影検査、注腸など透視を使用する検査全般を行います。
- 従来のレントゲン撮影のように静止画だけでなく、X線を連続で照射して動画として体内の臓器の動きや形をリアルタイムで捉えることができます。
留意事項
- 撮影部位によっては、体の向きを変えることや、一時的に息を止めていただくことがあります。
- 金属類、プラスチック類、湿布、カイロなど、撮影する画像に映り込む可能性のあるものは検査前に外していただきます。
- 検査の目的によっては、造影剤を飲んでいただいたり、血管から注射したりすることがあります。
- 造影剤は稀に副作用の症状を引き起こすことがあります。これまでに症状が出たことのある方、ぜんそくのある方、腎機能に問題のある方は必ず医師にお伝えください。

CT検査
検査の特徴
- CT検査はX線を用いて行います。様々な方向からX線をあて、体内にある成分(水分、骨、脂肪、空気)のX線の吸収率の違いをコンピュータで処理することで、体の断面を画像化します。また、検査の目的によっては、造影剤を使用することもあります。
留意事項
- 検査中の姿勢は基本的に仰向けです。撮影部位によっては、体の向きを変えることや、一時的に息を止めていただくことがあります。
- 撮影する範囲に金属類(眼鏡やベルト、ボタン、ファスナー、下着の金具など)、画像に映り込んでしまうものは必要に応じて外していただくことがあります。
- 造影剤を血管に注射したときに体が熱いと感じることがありますが、一時的なものなので心配はありません。また、造影剤は尿によって排泄されるので、検査後には水分を多く摂るようにしてください。
- 造影剤は稀に副作用の症状を引き起こすことがあります。これまでに症状が出たことのある方、ぜんそくやアレルギーのある方、糖尿病の薬を飲んでいる方、腎機能に問題のある方、授乳中の方は使用に注意が必要な場合がありますので、必ず医師にお伝えください。
- 胎児は放射線に影響を受けやすいため、妊娠している方、妊娠している可能性のある方は必ず医師にお伝えください。

MRI検査
検査の特徴
- MRI検査は強力な磁石と電波を用いて、磁場を発生させて行います。強力な磁場が発生しているトンネル状の装置の中で、ラジオなどで用いられる周波数の電波を体にあて、体の様々な方向の断面を画像化します。検査の目的によっては、造影剤を使用する場合があります。
- 他の検査と異なり放射線による被ばくはありません。
留意事項
- 検査中の姿勢は基本的に仰向けです。撮影部位によっては、体の向きを変えることや、一時的に息を止めていただくことがあります。
- 磁場を発生させるときに、装置から大きな機械音がするため、検査中はヘッドホンを装着していただきます。
- 検査時間はCT検査に比べて長く、1つの部位で数種類の画像を撮影するため約15分~30分ほどかかります。
- 強力な磁石や電波を用いるので、事故防止のため、事前に問診票や口頭で確認を行います。
- 検査を受ける際には、検査着に着替えていただき、時計や眼鏡、入れ歯、金具の付いた下着など取り外すことのできる金属類は全て取り外していただきます。
- 過去に手術などで体内に金属類(ペースメーカー、人工内耳、人工骨頭、インプラントなど)が入っている場合は、必ず医師にお伝えください。場合によっては、検査が受けられない場合もあります。
- 金属類以外にも湿布やコンタクトレンズ、化粧、入れ墨などは火傷の原因になる場合もあります。
- 詳細な注意事項などは検査前に紙面でお渡ししています。よく確認のうえ、検査にお越しください。
- 装置の中の空間は狭いため、閉所が苦手な方は医師にお伝えください。
- 検査の目的にによっては、造影剤を飲んでいただいたり、血管から注射したりすることがあります。
- 造影剤は稀に副作用の症状を引き起こすことがあります。これまでに症状が出たことのある方、ぜんそくのある方、腎機能に問題のある方は必ず医師にお伝えください。

超音波検査
検査の特徴
- 腹部、血管、表在など心臓と乳腺以外の検査は診療放射線技師も担っています。
- 超音波(エコー)を体内にあて、その反射波を画像化して体の中の臓器の状態を調べる検査です。
- 臓器の動きや血流などをリアルタイムで観察できます。
- 他の検査と異なり放射線による被ばくはありません。
留意事項
- ゼリーを塗ったり、機械を押し当てたりしながら検査を行います。
- 検査部位によっては、体の向きを変えることや、一時的に息を止めていただくことがあります。
- 検査時間は20分~1時間程度かかります。

血管撮影(IVR)検査
検査の特徴
- 心臓カテーテル検査、EVT、PCI、アブレーションなどの検査を行っています。
- 医師、看護師、臨床工学技士、検査技師、放射線技師等が関わります。
- エックス線透視や超音波像、CTをみながら体内に細い管(カテーテルや針)を入れる治療法です。
- IVRは手術を必要としないため、身体にあたえる負担が少なく、病気の場所だけを正確に治療でき、入院期間も短縮できる特徴があります。
留意事項
- 治療時間は1~4時間程度かかります。
- 造影剤を血管から注射します。
- 局所麻酔や全身麻酔を使用します。
















